Webライターの経費|基礎知識と節税のポイントを徹底解説

Webライターの経費|基礎知識と節税のポイントを徹底解説

近年、副業や専業としてWebライターの仕事を始める方が増えています。

仕事を始めたばかりの初心者や確定申告に慣れていない人は、Webライターの経費について、どこまで計上できるのか分からない方も多いでしょう。

せっかく在宅で稼いでも、必要経費をしっかり計上できずに税金を多く払うのではもったいないですよね。

この記事では、Webライターが経費として計上できるものとできないもの、確定申告の際の注意点などを詳しく解説します。
個人事業主のWebライターは青色申告がお得です。
漏れなく経費を計上し、かしこい節税対策をしましょう!

1.Webライターの経費に関する基礎知識

経費とは事業で使用したお金のことで、収益を得る目的で使った費用全額を指します。

Webライター業務を行うために支払った費用なので、パソコンや事務用品の購入、クライアントとの打ち合わせで使用した飲食代などがWebライターの経費になります。

経費として認められるかどうかの判断基準は、「Webライターとしての利益をもたらすために使われたのかどうか」なので、金額の大きさや使用した場所などは関係ありません。
重要なのは、そのお金の使用目的です。

個人事業主のWebライターの所得は、収入から経費を差し引いて決まります。
所得税などは所得に応じて課税されるため、経費で所得が下がると納税額が低くなります。

つまり、経費として計上すればするほど所得が下がり、納税額を低く抑えられるため、節税になるというわけです。

多くの費用を経費として計上すればそれだけ節税につながりますが、事業と関係のない費用まで経費に含めて申請すると、税務署の調査が入ることがあります。
調査で「正しく税金を納めていない」と判断された場合は、ペナルティがあるので注意が必要です。

1-1.源泉徴収とは

1-1.源泉徴収とは
源泉徴収とは、給与の支払い者が、その支払いの時に一定率の金額を天引きして預かっておき、これを本人に代わって納税する仕組みです。
源泉徴収票を見ると、1年間の給与や支払った所得税などを確認できます。

企業など、従業員の給与を支払う事業者であれば、必ず行わなければならない決まりになっています。

Webライターなどフリーランスの場合は自分で確定申告を行うため、仕事やクライアントによって「源泉徴収されるもの」と「源泉徴収されないもの」が混在しています。

1-2.確定申告とは

確定申告とは、1年に1回売り上げや経費を税務署に報告し、税金を納めるために行う手続きのことです。

会社員であれば「年末調整」として税額を調整してくれますが、個人事業主であるWebライターは自分自身で売り上げや経費を計算して申告します。

個人事業主の確定申告の計算期間は、1月1日から12月31日までの1年間で、確定申告をするためには領収書などと共に「確定申告書」や「決算書」などの書類を作成する必要があります。

確定申告をする期間は、翌年の2月16日から3月15日までです。
新型コロナウイルスの影響で確定申告の締め切りに変更がある場合がありますので、申告する際は期間を確認しておきましょう。

2.Webライターが経費計上できる費用

ここからは、Webライターが経費計上できる費用について解説します。
基本的には、Webライターの仕事のために必要だと証明できる費用であれば、経費にすることができます。

実際には、経費にできるかどうかは税務署が判断をします。
Webライター同士であっても、活動ジャンルや活動場所などの違いによって、経費にできる項目は変わるでしょう。
この記事を参考にしながらも、迷った場合は税理士や税務署に確認してください。

Webライターの経費の場合、全額を経費にできる費用と、家事按分できる費用があります。

2-1.全額経費にできる費用

2-1.全額経費にできる費用

まずは、全額経費にできる費用から解説します。
ライター業務で必要となる器具や材料はほとんどないため、経費計上できるものは多くありません。
そのため、Webライターの確定申告では、経費計上できるものをうっかり見逃してしまわないよう、丁寧に確認しておきましょう。

2-1-1.消耗品費

文章や構成を考える際や、仕事のスケジュールを管理するために、筆記用具は必需品です。
ノートやペン、プリンターのインク、コピー用紙、ファイルなどの事務用品は忘れずに経費として計上しましょう。
これらは1回の購入費用は小さいですが、積み重ねると大きな経費となります。

Microsoft Officeや辞書ツールなど、Webライターとして仕事をするために必要な有料ツールを利用する場合は、それも消耗品費として経費で計上できます。

パソコンやプリンターなど、Webライター業務で使う器機も経費として申告できます。
ただし、10万円未満であれば消耗品費として全額をまとめて経費にできますが、10万円以上の場合は固定資産として減価償却が必要です。

2-1-2.接待交際費

2-1-2.接待交際費
打ち合わせや作業のための会議室利用費や、クライアントとの打ち合わせ時の飲食代などは、接待交際費として経費で計上できます。
領収書にクライアント名を書いておくか、打ち合わせの議事録を残しておくなど、後から証明できるようにしておきましょう。

クライアントや取引先の結婚式に呼ばれた時のご祝儀や、お葬式に出した香典費も、交際費として認められます。
またクライアントの担当者が結婚や引っ越しをした際の贈答品や花代など、お祝い事に関する支出も同様です。

取引先の忘年会に呼ばれた場合の会費や、打ち上げの費用なども、仕事上のお付き合いであれば経費として計上できます。
日時や場所、参加者など、後から説明できるようにメモを残しておきましょう。

2-1-3.交通費

ライティング講習に参加するための交通費や、取材での移動費も経費として計上できます。
電車やタクシーなどの移動費用だけではなく、遠方であれば宿泊費も経費に含めます。

またクライアントとのミーティングや、コワーキングスペースに移動する際の交通費も、同様に計上できます。
「Suica」などのICカードを利用すれば、あとから明細を確認できるので便利です。

2-1-4.飲食費

2-1-4.飲食費
カフェやレストランでの飲食代も、Webライター業務に必要であると証明できる場合は経費にできます。

たとえば、クライアントに挨拶をした際にカフェでコーヒーを飲んだ費用や、プロジェクト終了後の打ち上げ費用などは、経費として計上できます。

グルメブログの記事作成のための食事代や、取材のために必要な飲食なども含みます。
領収書やレシートを必ず保管しておくようにしましょう。

2-1-5.図書費

ライティングの書籍購入や、情報収集のための新聞購入も、Webライターの業務のために必要な支出です。
これらも経費として計上しましょう。

書評を書くために小説を購入した場合など、プライベートのものと区別がつきにくいものの場合は、領収書だけではなく実際の書評記事や企画書などを一緒に保管しておきましょう。
万が一、税務署から調査を受けた場合に説明しやすくなります。

2-2.家事按分できる費用

家事按分とは、費用を事業用と生活用に分けることをいいます。
在宅で仕事をするWebライターの場合、家賃や電気代には仕事でかかった費用とプライベートでかかった費用が混在しています。
これを家事按分して、仕事30%、プライベート70%のように分けることで、経費として計上するのです。

全体の費用のうち、業務で使用している割合が何%なのかを計算します。

何%を経費とするかについて明確なルールはありませんが、経費にする割合が不自然に大きすぎたり、その割合にした基準が不明確であったりすると、税務調査で指摘される可能性もあるので注意が必要です。
根拠をもって説明できるようにしておきましょう。

2-2-1.家賃

2-2-1.家賃
自宅でライティング作業をしている場合は、家賃の一部を経費として計上することができます。
しかし自宅はプライベートな生活の場でもあるため、全額を経費にすることはできません。

経費にできる割合は、仕事で使用するスペースなどで計算します。
たとえば、家賃が8万円の部屋で、そのうち仕事で使うスペースが全体の1/4であれば、家賃の25%で2万円分を経費とするのです。
また、副業Webライターの場合は、生活全体のうち副業にかける時間から、割合を計算する場合もあります。

もしも仕事専用の事務所や部屋を借りている場合は、その家賃の全額を経費として計上することができます。
コワーキングスペースやシェアオフィスを利用する場合も同様です。

2-2-2.光熱費

自宅でライティング作業をする場合、電気代の一部も経費として計上できます。
家賃と同様に、作業スペースの面積や作業時間などを基準にして家事按分しましょう。
家賃と同じ割合にしておくのがおすすめです。

Webライターの仕事にガスや水道を使うことはほとんどないので、ガス代や水道代は経費として認められません。
ただし、仕事専用の事務所を借りているのであれば、ガスと水道代も全額経費となります。

2-2-3.通信費

Webライターはリサーチや記事執筆、クライアントとの連絡のためにインターネットやスマートフォンを利用します。
そのため、インターネット代やスマートフォン代も経費として計上できます。

仕事用のスマホであれば全額経費になりますが、1台のスマホをプライベートでも使っている場合は、使用頻度の割合で計算して経費計上しましょう。

3.Webライターが経費計上できない費用

用の中には、Webライターが経費として計上できないものもあります。
個人的な税金のほか、事業の収益につながらない費用も経費として計上できません。
ここからは、Webライターが経費計上できないものの一例をご紹介します。

3-1.所得税・住民税

3-1.所得税・住民税
所得税や住民税の納税は義務です。
そのため、経費として計上することはできません。

3-2.社会保険料

社会保険料も経費にすることはできませんが、確定申告で所得控除を受けることができます。
国民年金保険料の支払いを証明する控除証明書を添付して提出しましょう。

3-3.個人事業主の家族に対する給与

通常、従業員に支払う給与は経費として扱うことができますが、家族に支払う給与については、原則経費として認められていません。
これは個人事業主本人の収入を、生計が同一の家族に移しただけとみなされるためです。

ただし、青色申告をしている場合「青色事業専従者給与に関する届出書」を税務署に提出することで、15歳以上の家族に対する給与を、経費として計上することができます。
青色申告については、後で詳しく説明します。

3-4.私的に使用した費用

3-4.私的に使用した費用
Webライターの仕事と関係がない私的な買い物は経費にできません。
友人や家族との食事代や旅行費、個人的な趣味に関する道具や書籍の購入費など、業務に関係がない場合は経費に含めないように注意しましょう。

4.Webライターが経費を計上する際の注意点

経費を計上する際に気をつけるべき点を2つご紹介します。
ルールを守って正しく節税するためにも、確認しておきましょう。

4-1.領収書を保管しておかなくてはならない

経費として計上するために重要なことは、そのお金が使用された目的が、その事業の利益のためなのかどうかです。
そのため、レシートや領収書で使用した金額や日時、場所をはっきりさせるとともに、利用目的や相手の名前などもしっかりと記載しておきましょう。

確定申告の際に領収書を提出する必要はありませんが、税務調査が入った場合には、領収書やレシートの提出を求められることがあります。
必ず原本を保管しておきましょう。

青色申告の場合、経費として計上した商品の領収書は7年間保管する義務があります。
白色申告の場合の保管期間は5年間ですが、支出入を記録した帳簿は7年間保存が必要です。
帳簿と領収書やレシートをすべてまとめて、7年間保管しておくのが無難でしょう。

4-2.不正計上と判断されるとペナルティがある

4-2.不正計上と判断されるとペナルティがある
プライベートの飲食代や旅行費などの費用を経費に含めて計上するなど、収入と経費のバランスが明らかにおかしい場合は、税務署の調査が入ることがあります。
調査で脱税を疑われると、ペナルティを受ける可能性があるので注意しましょう。

本来支払うべき税額より少ない金額で申告したり、意図的に仮装・隠ぺいなどの不正行為を行ったりした場合は、正しい税額から未納分に10~20%が加算されてしまいます。

5.Webライターの経費処理と確定申告

Webライターは専業・副業いずれにしても、年間20万円以上の所得があれば確定申告が必要です。
特に青色申告を利用すると、大きな節税メリットがありますので、ご紹介します。

5-1.青色申告がお得!

5-1.青色申告がお得!
事業所得がある人の確定申告の方法には、青色申告と白色申告があります。
青色申告は、原則として複式簿記という方法で帳簿をつけることが義務付けられています。
これに対して白色申告は簡易帳簿でよいとされているため、帳簿の作成が比較的簡単です。

提出書類に手間がかかる青色申告ですが、節税対策には断然おすすめです。

白色申告では、基本的に税制上の優遇措置はありませんが、青色申告では最大で65万円控除の優遇措置を受けることができます。
また、所定の手続きを踏めば家族への給与が全額必要経費にできることや、赤字を3年間繰り越せることも、大きなメリットです。

注意点は、青色申告をするためには「青色申告承認申請書」を税務署に提出しておく必要があります。
また、複式簿記での記帳が必要なので、簿記の専門的な知識がない場合は、会計ソフトを利用するなどの対策を行いましょう。

5-2.副業で所得20万円以下でも確定申告した方がお得な場合も!

副業でWebライターをしている場合、確定申告する必要があるかどうかの基準の一つに「20万円ルール」というものがあります。20万円ルールとは、副業の所得が20万円以下の場合は、確定申告をしなくてもよいというルールです。

一般的には確定申告が不要なケースでも、確定申告をした方が節税につながる場合もあります。
それは、所得税を余分に支払っている場合です。

Webライターの場合は原稿料から源泉徴収されていることがありますが、これは収入に対する一定率で計算して徴収されています。
確定申告をすることで収入から経費を引いた所得が明らかになり、払いすぎていた税金が戻ることがあります。
所得が20万円以下の場合でも、確定申告で経費計上して、払いすぎた税金を取り戻しましょう。

6.まとめ

今回は、Webライターの経費に関する基礎的な知識をご紹介しました。

Webライターが経費計上できるのは、業務のために支払ったことが明らかな費用と、家事按分で一部を経費にできる家賃や電気代などです。
一方、経費計上できない費用は税金や社会保険料と、私的に使用した費用です。

正しく経費計上するための注意点は、領収書を保管しておくことと、プライベートとしっかり分けて不正計上を疑われないようにしておくことです。

Webライターの確定申告では、青色申告がお得です。
帳簿の記載に手間がかかりますが、会計ソフトを利用することで書類作成の手間を省くこともできます。

必要経費が少ないイメージのWebライターですが、丁寧に確認すれば経費にできるものはたくさんあります。
ぜひしっかりと経費を計上して、確定申告で節税をしましょう。

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